建築家人生の集大成のような二世帯住宅。
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ご主人「両親とは別々に暮らしていたのですが、結婚をして子供が小学校に上がるタイミングで実家に戻り、一緒に暮らすことに決めました。父は建築家で、建築設計事務所を営んでいますので、住まいの設計はすべて父に任せることにして、二世帯住宅を計画してもらいました。
設計は順調に進みましたが、施工をどこに依頼しようか悩んだ結果、施主と工務店のマッチングをしてくれるスーモカウンターに相談することにしたんです。そこでカクニシビルダーさんを紹介してもらいました。
カクニシさんの第一印象は、とことん親身でアットホームな会社。今回は父が設計した図面を持ち込んで施工だけ依頼するという形でしたので、それに対応してもらえるか心配でしたが喜んで引き受けていただけたので安心しました。また、今回担当してくれた大工さんが、以前に父の仕事の施工してくれた方だったという偶然もあり、ご縁を感じました。」
お父様「三方を道路に囲まれたうえに高低差もある敷地に、二世帯住宅兼、私の設計事務所を併設させるという計画でした。形式は玄関も生活空間もすべて分離した独立型の二世帯住宅として、親子が仲良く暮らせる二世帯住宅のケーススタディーとして、これまでの経験を全て注ぎ込む気持ちで設計しました。
敷地内に親世帯と子世帯が向かい合わせになるように配置し、2つの世帯をつなぎ合わせるようにシルバーのガルバリウム鋼板張りのヴォリュームを2階に載せています。
それぞれのプライバシーを守りながら互いの気配を感じられるよう、開口部をずらしながら慎重に配置し、さらに2つの世帯の間には緩衝地帯となる、トンネル状のインナーデッキのスペースを設けています。エントランス側とは木製ルーバーのスクリーンで仕切られていますので風の通り道となり、まるで私たち家族のように風通しの良い住まいになっています。(笑)」
近くにいながら、気にならない親子の距離感。
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奥様「私達夫婦の世帯はスタイリッシュなデザインの空間にしました。1階はリビング・ダイニング・キッチンと水回りです。2階は寝室と子供部屋、夫の書斎となっています。
リビングは間接照明が素敵で、モノトーンをベースにシックな木目の床と天井が映えてとても落ち着く空間です。
キッチンはフルフラットカウンターがスマートなPanasonicのアイランド型システムキッチン。すごく気に入っています。
子どもが2人いるのでごちゃごちゃになりがちな生活空間も、キッチン背面の大きな収納や、リビングからは見えない位置のパントリー、玄関のシューズクロークなど随所に収納を設けてくださったので、とても片付けがしやすいんです。
水回りの動線も使い勝手がよく、洗面・脱衣室は広々としていてすごく便利です。
2階の寝室には十分な広さのウォークインクローゼットと、隣接して夫が家でも仕事をできるような書斎があります。こんなに近くに親世帯が暮らしているのに、窓からの目線も全く気にならずプライバシーが保たれています。」
空間はシンプルに、納まりと配慮は細やかに。
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お父様「親世帯は私の設計事務所のスペースを離れのように配置しながら、1階に生活空間をコンパクトにまとめました。グランドピアノのあるリビングは勾配天井で、リズミカルに配置したハイサイドライトから明るい光を奥のダイニングキッチンの方まで取り込んでいます。キッチンは収納の下に地窓を設け、隅々まで光が回る明るい空間になっています。
このリビングはインナーデッキスペースに面していますので、孫たちが遊んでいる気配が窓越しに伝わってきます。干渉するわけでなく、分断するわけでもなく、暮らす分には全然気にならずに声をかければ届くような、ほどよい距離感が生まれました。
2階の和室はオリジナルの障子を作りました。繊細な格子を幾何学的に割付けたデザインです。カクニシの職人さんもよく作ってくれましたよ。他にも私の設計は細かい納まりが多いからかなりうるさいことも言いましたが、監督さんも職人さんも頑張ってくれました。」
ご主人「家族が集まるような時以外、生活は食事もお風呂も全てが別々ですし、電気・ガス・水道のメーターも別れていますので互いに気兼ねすることもなく、二世帯住宅という意識が薄れるくらいに独立した生活ができています。
ただ、生活の気配は伝わってきますし、何かあったときは互いにすぐ駆けつけられる距離ですので安心ですよね。
工事期間中に父が一時入院していたのですが、病院にまで駆けつけてくれました。父も現場の進捗が気になるようで、病室でカクニシさんと工事内容の確認の打ち合わせをしている姿を見たときは、お互いにプロ根性がすごいと思いました。(笑)カクニシさんは本当に誠実で、いつも細やかに対応してくれて感謝しています。ありがとうございました。」