建物の基礎をつくる大切な工程
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こんにちは。
カクニシビルダー建築コンサルティング部の石川です。
先日、現場研修に行って参りました。
基礎~建て方までの3つの現場を実際に移動して周り、学んで参りました。
今回は基礎の部分について、ご紹介したいと思います。
≪建物の基礎をつくる大切な工程≫
コンクリート打設は、建物の基礎をつくるための重要な作業になります。
コンクリートを型枠内に流し込み固めることで、基礎が出来上がります。
この基礎工程を手順通りに実施し、管理がされていないと強度や体力が足りない為に問題が発生する可能性があるので注意が必要です。
特に水分の過剰や不足により、問題が起こる可能性があります。
【コンクリート打設】
コンクリート打設とは、生コンクリートを型枠の中に流し込み、建物の基礎をつくる作業のことです。
「打設」とは、もともと生コンクリートを充填するため、念入りに叩いたり付いたりして空気や水を出した ことに由来するとされています。
現在では棒で叩く事は少なく、バイブレーターや圧送技術などが用いられています。
また、基礎の底盤部分と立ち上がり部分に分けて行う「二度打ち」で行われることが多いです。
コンクリート打設は、生コン車で運ばれた生コンクリートを、ポンプ車を使い型枠内に流しこみます。
型枠内には、「先送りモルタル」と呼ばれるものが入っていることが多くあります。
これは、ポンプや配管内面の潤滑性を得る目的で圧送されます。
【コンクリート打設の手順】
1.打ち合わせ
打設前に、打ち合わせを行います。ここで打設計画書が配られ、打設の手順や注意事項を共有します。
2.打設工法の選定
コンクリート打設には、主に「コンクリートポンプ工法」と「コンクリートバケット工法」の2種類があり、状況により適している工法を選定します。
3.打ち込み準備
以下のような準備を行います。
・型枠は設計通りに通られているか
・型枠内の鉄筋は正しい位置にあるか
・天気はどうか
・型枠内や打ち込み設備などはしっかり清掃してあるか
・型枠内にたまった水は排除してあるか
4.受入検査
現場に届いた生コンクリートが、発注したものと一致しているか伝票と現物を確認します。
また、スクランプや空気量、塩化物含有量試験などの受入検査を行います。
5.打ち込み・締め固め
型枠内に生コンクリートを流し込む作業を打ち込み作業になります。
単に流し込むだけでなく、打ち込みの高さや打ち重ね時間などにも注意が必要です。
コンクリートは時間経過とともに硬化するため、打ち重ね時間がかかり過ぎてしまうと、コンクリートが一体化できない可能性があります。
打ち込み作業後に、流しいれたコンクリートを隅々まで充填するため、棒で突いたり、バイブレーターを使い、余分な空気や水を抜く「締固め」作業を行います。
6.仕上げ
締め固め作業を行っただけでは表面に凹凸が出来てしまうため、コテなどを使用して表面を均す作業を行います。
【コンクリート打設の注意点】
コンクリート打設で固めるコンクリートは建物の基礎となる重要な部分であるため、入念な準備と計画が必要とされています。
1.コンクリート打ち込み時:時間に気を付ける
生コンクリートは、「練り混ぜから打ち込み終了までの時間」が定められているのが特徴です。
外気温が25度以下なら120分以内、25度以上なら90分以内に終えなくてはいけません。
間隔が開いてしまうとコンクリートが固まり、欠陥に繋がってしまうとされています。
2.締固め時
コンクリート中には、砂利や砕石が多数含まれています。
そのため締固めが不十分だと空洞ができ、強度低下・体力低下を招いてしまうのです。
型枠の隅々までコンクリートを充填することで、強固なコンクリートが作られます。
3.養生時
養生期間は、使用するセメントの種類に応じて変わります。
しっかりと硬化させるためには、ある程度の湿度を保つ必要があるとされています。
その為、振動や急激な感想が起こらないように注意しましょう。
【コンクリート打設は雨の日にやっても大丈夫なのか?】
打設作業はその作用内容から、雨の日に行っても大丈夫なのかと心配にあることも多いでしょう。
結論は、打設後なら『問題なし』、打設中の場合は『問題あり』となります。
これは、コンクリートが固まる仕組みに関係しています。
1.コンクリートが固まる仕組み
打設現場に運ばれてくる生コンクリートは、打設日から約28日で適切な強度になるように計算されています。
この生コンクリートは、セメントと水の化学反応によって硬化するとされています。
セメント内の化合物が水と反応して新しい化合物になることが「水和反応」です。
そして、新しい化合物は「水和物」と呼ばれます。
水和物は、水和反応が終わるまで生成され、どんどん強化を増します。
約28日後には強度が約80%になり、その後ゆっくり時間をかけて100%になるのです。
このためコンクリートの強度管理は、約28日で行われます。
2.打設中は雨が降ると問題がある
上記の仕組みを知っていると、打設中に雨が降ると問題が生じる理由が分かります。
コンクリートは計算された強度を出すために、セメントと水の割合が計算されています。
そのため、コンクリートが硬化する前に雨等で水分が足されると割合が崩れ、計算した強度が出ない場合があります。
また、土間コンクリートのように、施工した表面をコテできれいにならすのですが、雨が降ると表面が荒れて仕上がりがきれいにならないなどの問題がでるばあいがあります。
※ただし、コンクリート1立方メートルあたり、150~200リットルの水を含んでいるとされているため、環境状況により少々の雨では影響がない場合もあります。
3.打設前や打設後は雨にぬれても問題ない
コンクリート打設前や打設後は基本的に雨にぬれても問題なとされています。
コンクリート打設後、急激に乾燥させてはいけません。
思ったような強度がでなかったり、表面に亀裂が発生する可能性があるため、打設後はコンクリートに散水することがあります。
これは、コンクリートを常に湿潤状態にし、水和反応の環境を整えるために行われます。
このことから、雨で湿潤状態になることはむしろ良い状態であるといえます。
ただし、打設後5~6時間経過するまでは、コンクリートはまだ形が変わる状態になります。
その状況下で強い雨が降った場合、表面仕上げに影響が出る可能性があります。
4.打設後のシートは何のため?
コンクリート打設後に掛けるブルーシート等は雨対策の為ではありません。
これは、コンクリートを乾燥させないために行っています。
散水してもすぐに水が蒸発しては意味がないため、シートをかけて一定の湿度に保つようにしていることが多くあります。
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