シロアリについて
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みなさま、こんにちは。
カクニシビルダー品質管理部の岡田です。
今回私の方では、【シロアリ】についてお話させていただきます。
1つの巣に数万から数百万匹が生息するとされる、シロアリ。
シロアリ1匹あたりの食害はそれほどではありませんが、個体数が多くなれば被害は甚大なものとなります。
なんとか被害を避けたいものですが、種類によっては黒い羽アリがいるため、よく見かけるクロアリと見分けることが難しい部分もあります。
被害にしばらく気付かないケースも多く、発見したときには手遅れということもあります。
シロアリの生態
名前に「アリ」と付くシロアリですが、アリとは全く関係のないゴキブリ目シロアリ科に属する昆虫です。
基本的に1つの巣に王と女王が1匹ずつおり、女王だけが卵を産みます。
卵から幼虫を経たのち、ほとんどのアリは働きアリとなり一部が兵アリとなります。
働きアリの主な仕事は巣作り、エサとり、幼虫の育成です。
兵アリの仕事はクロアリなどの外敵から巣を守ります。
ちなみに女王の近くにいる兵アリほど若く、最前線に行くほど年寄りだといわれています。
コロニー(巣)が大きくなると全体の数%の個体が羽アリとなって飛び立ち、雄と雌がペアとなり着地します。
着地したシロアリは、羽を落として新しいコロニーをつくります。
種類
日本に生息しているシロアリは22種類。
このうち家屋に被害を及ぼすシロアリは5種類おり、中でもヤマトシロアリとイエシロアリが主要となります。
- イエシロアリ
体長は12~16mm(翅を含む)。
体は黄褐色、羽は乳白色または淡黄色。
兵アリの見た目は頭が卵型となっています。
千葉県以西の温暖な沿岸地域に分布し、基本的には地中に営巣しますが、壁の中や屋根裏に分巣を作り、コロニーとして、大きな塊の巣をつくるのも大きな特徴です。
- ヤマトシロアリ
体長は7~10mm(翅を含む)。
体は黒褐色で前胸背板が黄色、羽は淡い黒色をしています。
兵アリは頭が長方形なのが特徴です。
北海道北部を除く日本全土に分布し、浴室、台所など水回りの床下、朽ち木、湿って腐りかけた木材などを食害します。
餌場が巣を兼ねていることもあります。
シロアリのコロニーを発見しても、中にいるのは見た目に特徴の少ない働きアリがほとんどです。
イエシロアリかヤマトシロアリかを判別することは至難の業です。
一方、羽アリ・兵アリは見た目が異なるため、運よく見つけられたらイエシロアリかヤマトシロアリかを見分けやすいです。
ヤマトシロアリの羽アリが飛び立つのは4~5月の午前中が多く、イエシロアリの羽アリは6~7月の夕方から夜にかけて飛び立つことが多いです。
クロアリとの違い
見た目や名前こそ似ているシロアリとクロアリですが、実際は全く異なります。
住居の中の食材を運び出すのがクロアリ、住居の木材を食べるのがシロアリです。
クロアリの触角はL字型なのに対し、シロアリの触角は球体がまっすぐ連なっている形。
クロアリの胴体にはくびれがありますがシロアリは寸胴です。
特に見分けやすいのは羽の大きさで、どちらも4枚の羽を持ちますが、クロアリは後ろの羽が小さく、シロアリは前も後ろもほぼ同じ大きさです。
シロアリの羽は取れやすいのも特徴。
一番の違いは生物分類でシロアリはゴキブリ類ですが、クロアリはハチと近縁関係にあります。
シロアリによる被害
シロアリといえば建物の木材を食べるイメージが強いかもしれませんが、近年日本で増えつつある外来種・アメリカカンザイシロアリの場合、小屋組材まで食べてしまいます。
このようにシロアリの種類によって被害場所や規模は異なります。
- ヤマトシロアリによる被害
ヤマトシロアリは湿った木材を食べて栄養と水分を摂るため、浴室や台所の床下など湿気が多い場所に被害が集中しやすくなります。
風呂場やトイレ、キッチンなどに被害がみられます。
雨漏りや水漏れがあると2階や天井裏までのぼり、木部を食べられることもあります。
さらに断熱材とコンクリートの間を通って、建物に侵入してくることもあります。
- イエシロアリによる被害
イエシロアリは繁殖力が強く一つのコロニーに100万匹が生息しています。
数が多いだけでなく食欲旺盛なので被害は急激となります。
餌場自体を巣とし、餌場の環境が悪くなると巣ごと移動し幅広い範囲に被害が及びます。
古材よりも新材を好む傾向にあり、家を倒壊させた例もある危険種です。
シロアリ被害の可能性がある家屋の特徴
シロアリは日が当たらない場所や、風通しの悪い床下などの人目につかないところの湿った木材に食害を与えます。
地面に接している建材がある家屋や、ウッドデッキがある家屋は要注意です。
湿度が高くジメジメとしたところもシロアリは好みます。
エアコンの室外機や雨どいの水が直接地面に流れている家屋も、シロアリが生息しやすい環境だといえます。
また、家屋の外周環境もシロアリが住みやすいものになっていないか確認する必要があります。
樹木の添え木や、木の柵が建物の近くにある場合は要注意です。
シロアリが近くに潜んでいる可能性があります。
シロアリの見つけ方
- 蟻道
シロアリの巣を見つけるポイントは「蟻道(ぎどう)」と呼ばれる、土でできた細長い道の有無です。
蟻道は床下や水周りなど湿気の多い場所に作られることが多く、崩すとシロアリがいるかどうか確認することができます。
もし蟻道とシロアリを発見した場合は、周辺で食害が進行している可能性が高いといえます。
- 家屋の変化
シロアリがいる家屋は、床がきしんでいたり壁や柱から空洞音がしたりすることがあります。
これは床を支える木材や柱の内側がシロアリに食べられ、ゆがんだために起こる現象です。
近年は、家屋の壁の隙間を最小限に抑えるような設計が増えています。
叩いてみて空洞音がする場合は、シロアリによって木材がかじられている可能性が高いといえます。
- 羽アリがいる
羽アリの移動距離は長くても数百メートルほどで遠くへは移動しません。
自宅の周辺でシロアリの羽アリを多数発見した場合は、近くに巣がある可能性が高いです。
羽アリそのものを目撃することがなくても、落ちた羽が家の周辺にたくさん散っている場合、近くに巣がある可能性が高いといえます。
また、シロアリの天敵であるクロアリがいる場合も要注意です。
捕食対象であるシロアリを狙って来ている可能性が高いと考えられます。
シロアリの駆除・対策方法
- 市販のシロアリ専用薬剤の使用
家庭でできる対策としては、市販の薬剤を使って、液剤を散布する方法や、土中にベイト剤を埋設し、駆除する方法があります。
液剤を散布する方法では、被害箇所だけでなく、被害にあう可能性のある木部全体に散布する必要があります。
また、ベイト剤を埋設する方法では、建物を取り囲むように設置するのが望ましいです。
- プロに依頼する
「自分で薬剤を買って駆除を行った方が費用を安く抑えられるのでは」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、自ら駆除・対策しても完全に駆除しきれないことが多くあります。
薬剤を散布するべき場所に散布できていない場合や、シロアリの侵食場所を特定できていない場合があるためです。
さらに、シロアリは種類ごとに対処方法が変わるため、適切な対処をしなければ効果が現れないこともあります。
駆除が完全に行えなければ、家の被害も拡大してしまいます。
そのため、シロアリを駆除したい場合はプロに依頼する事をオススメです。
プロの業者に依頼する場合は、事前説明がきちんとしている業者を選ぶ。
また、事前に見積りを取ってから依頼ができる業者が望ましいです。
いかがでしたでしょうか?
シロアリ対策は早期発見、対処が基本になります。
分からない羽の付いた虫を発見した場合は、相談してください。
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