【軒(のき)】について
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みなさま、こんにちは。
品質管理部の髙山です。
本日は【軒】についてお話いたします。
軒とは何?
軒とは、屋根の端の建物外部に張り出た部分の事を言います。
庇(ひさし)との違い
庇(ひさし)とは、窓や玄関などの開口部の上に設けられる外壁から突き出た部分です。
軒が屋根の一部であるのに対し、庇は屋根とは別に設けられる点が異なります。
軒の役割について
①日射遮蔽により室内環境に影響を与える
②夏の強い日差しを遮り、太陽による室温の上昇を抑える
③紫外線による建物の影響を抑える
軒が深い(軒が出ている)場合のメリット・デメリット
メリット
①適切な軒の出であれば、太陽の位置が高い説は日射を遮蔽し、太陽が低くなる季節は明るく、日差しを取入れてくれる
②窓への雨・風による影響を少なくし、雨の日でも小降りであれば窓を開けられる
③エアコンの室外機が軒下(日陰)にあると、エアコン効率が下がらない
④外壁への直射日光を減らす為、紫外線の悪影響や外壁の褪色等を抑える
⑤外壁にかかる雨量が減る為、台風やゲリラ豪富などに対し雨漏りのリスクを低下させる
⑥軒が出ていた方が外壁が汚れにくく、軒の無い方が汚れの影響を受けやすい
⑦汚れだけでなく劣化を防ぐ為、メンテナンスコストを抑えたり、メンテナンス時期を遅らせたりできる
デメリット
①屋根面積、軒天面積が増える為、建築費用がその分かかる
②1m以上の軒は建築面積に参入される為、敷地面積に余裕がない場合は影響がある
③箱型、BOX型の外観にするのは難しい
④狭小地の場合、室内空間が取りにくい
軒の【てり(てりとい・てり曲り)】とは?
あまり聞かない言葉ですが、社寺建築などで見られる、軒が内側に反り返るような形状の事を、【てりとい・てり曲がり】といいます。
特徴としては軒の先端が内側に反り返ることで、雨水をより効果的に集め、竪樋(たてどい)に誘導する役割があるのです。
最近の一般木造住宅では中々見かけませんが、木でつくる軒を曲げて造るとは、施工した大工さんの技術の高さ・凄さを感じますね!
軒のうんちく
「大工と雀は軒で泣く」という言葉があります。
大工の一番難しい仕事は、軒まわりの仕事【組手(くみて)、隅木(すみぎ)、垂木(たるき)、茅負(かやおい)、裏甲(うらごう)など】であり、一人前の大工でも手を焼き泣かされる、ということを、軒で鳴く雀にひっかけたものだそうです。
軒、奥が深いですね。
最後までご覧くださりありがとうございました。

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