ヒートショックと住宅
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皆様、こんにちは。
建築コンサルティング部の石川です。
今回は、ヒートショックと住宅の考え方についてお話させていただきたいと思います。
ヒートショックが起きるときの身体の状態は?
人の身体には、寒さ・厚さに対応するための体温調整機能が備わっているのをご存じでしょうか?
寒いときは体の熱を逃がさないように血管が収縮し血流が減少するのですが、血圧は血管の収縮の圧力により上昇いたします。
そして、体内から熱を発生させるために、身体を“震わす動作”をするようです。
暑いときは、汗をかくことで身体から熱を逃がし、血管は拡張することで体外へ熱を放出いたします。
血管が広く緩むことで血流が良くなり、血圧は下がります。
この人体機能である体温調整 “体温を一定に保つ仕組み” がヒットショックに大きく関わっています。
ヒートショックの起きやすい場所って?
人体には環境により、体温一定に保つ仕組みは、外出時だけに起こるわけではありません。
生活の拠点となる、皆様のお住まいでの生活に一番影響がございます。
日本には四季があり、その季節により状況は様々でございますが。。。
日本のほとんどの住宅では、暖かい部屋(リビング)と温度の低い部屋(浴室・脱衣室など)がございます。
その温度差は約6℃~10℃ほどあり、急激な温度の変化に身体が反応し、血圧や脈拍が上昇・下降を繰返す事で体温を一定に保とうと働き、その急激な働きがおこることで心臓への負担が増し体調不良が起こるのが現状です。
これにより、浴室事故の70%は脳卒中など、循環器系からくる障害が多く、不幸にも入浴中にお亡くなりになられる方は年間推移17,000人以上。
特に浴室事故が多いのは12月~2月の厳寒期に集中していることが特徴的になります。
そして、何より、栃木県は死者数が増加傾向にあり、ワースト3に入っています。
死因は、心筋梗塞、大動脈瘤・解離、家庭内での不慮の溺死といった、ヒートショックにまつわる原因が多くなっております。
特に寒い季節の1番風呂は、脱衣室・浴室共に部屋自体が冷えたままのところに、急激に温かいお湯を身体に掛けると血管が急激に収縮する可能性があり、ヒートショック発生の危険度が上がります。
入浴の際には、心臓から遠い、足元からかけ湯をし、血管をゆっくりと拡張することをお勧めいたします。
また、長風呂も意外と危険!
汗をかくのは良いのですが、脱水状態になり血液が濃くなると血流が滞り、脳梗塞や脳卒中の原因になることもありますので、水分補給などするようお気を付けください。
出典:e-stat 政府統計の総合窓口 2019年
住居でのヒートショック“予防”・“対策”はどのようなものがあるの?
①暖房機器設置による予防
・セラッミクヒーターやハロゲンなど小さくてもパワーのある電化製品を置き、足元から温める
・浴室暖房乾燥機を設置により、入浴前に室内を温めておく(脱衣室共に寒暖差が小さくなります。)
※梅雨の時期は衣類の乾燥・喚起によるカビの発生など通年抑制など、健康面からみると質の良い生活には、欠かせないものになりつつあるようです。
②窓の断熱性アップ
開口部の熱の出入りの影響は否めません。
特に冬、暖房設備で温められた室内空気のうち、5割以上は窓から室外へ逃げていくといわれています。
・室内:ペアガラス・トリプルガラス、内側樹脂サッシ。リフォームでは、二重窓・二重サッシの取付。
・室外:雨戸・シャッターの取付
窓の断熱性を高めると、ヒートショック対策、+α 結露などによるカビの発生抑制効果が向上し、生活の質(健康状態)が向上して参ります。
今の住宅にもとめられているものとは?
たとえ真冬でも、部屋同士の温度差が極力ない住宅。
気密性や断熱性が考えられた住宅であれば、ヒートショックのリスクが少なく、暖房機器の購入・暖房光熱費も削減できます。
また、寒暖差の大きい住宅に住み続けた場合と気密性や断熱性が考えられた住宅に住んでいる場合とでは、免疫力にも大きい差があり、より“健康的に過ごせる環境”を整えることに繋がります。
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